「一番低い場所」から社会を問う-地べたのポリティクス『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(ブレイディみかこ著/みすず書房) イギリス南部・ブライトンを舞台にした、ノンフィクション『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、多様な人種や貧富の格差に直面する、著者ブレイディみかこさんの息子の日常生活を母親目線で書いた作品だ。本屋大賞も受賞し、ベストセラーになった。私もその本で著者の文章に心をつかまれた読者の一人だ。 『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』はそれより2年ほど前に出版された本で、同じブライトンで保育士として働く著者が、社会と政治を…