1.日本のアイデンティティ ヨーロッパは海の道から「生」の時代を作り出し、日本は海の砦から「死」の時代を作り出しました。 フランスのアナール派の歴史学者プローデルが大著「地中海」で「海は文明の行き来する場所である」と定義付けました。彼の著書では地中海はスペインのフェリペ2世(1527~1598)の施政を中心とした近世ヨーロッパの発展の中心舞台と見立てられました。イタリアで始まったルネッサンスがヨーロッパ全体に浸透し、近代哲学の父と呼ばれたデカルト(1598-1650)が「方法序説」で著した理性的精神を以て最初に近代科学の理論的枠組みを確立したと言われています。 またそれ以前の1517年にはマル…