コルネリュ・ポルンボユ監督による2019年『ホイッスラーズ 誓いの口笛』について。体制からの逃避・解放というテーマを持つ作品であり、口笛言語=反体制側のサブリミナル的な意味を持つ映画を通して、主人公が今の社会ではないどこかへとヒロインに導かれながら逃避するような話になっている。 反体制言語としての映画 体制側としての警察に対し、反体制の組織がいる。体制側のシステムとして監視カメラがあり、反体制側の組織がそれに対抗する暗号として口笛言語を使う。 その口笛言語はどこかの島の原住民が使っていたもので、その島に属する存在、その言語を自由に操れる存在としてヒロインがいる。主人公は二重スパイであり、その女…