漢字伝来前の古代日本では、「神代文字」と呼ばれる文字が使われていたと言われています。では、神代文字とはどんな文字で、どんな目的で使われていたのでしょうか?■神話や神事と結びつく神々に愛された文字『古事記』や『日本書紀』の記述から、漢字が中国から日本に伝来したのは4世紀後半と考えられています。また、古人の証言を記録した文献や専門家の研究から、「漢字伝来前の日本に固有の文字は存在しなかった」という考え方が定説になっています。その一方で、「古代日本では、既に固有の文字が使われていた」という説もあります。それは漢字でもなければ、カタカナやひらがなでもありません。見方によっては絵や記号のようにも見える古…