「皇帝を選ぶ権利を持つ者が、帝国を支配する。この単純な原理が、ドイツの運命を決めました。」 フリードリヒ2世の死後、神聖ローマ帝国は大空位時代(1254〜1273年)と呼ばれる深刻な混乱期に突入しました。有力な皇帝候補が乱立し、帝国の統一的な統治は事実上機能を停止していました。この混乱を収拾するために生まれた制度が選帝侯制度であり、その制度を成文化した文書が1356年に発布された金印勅書(黄金文書)です。 金印勅書は神聖ローマ帝国の「憲法」とも呼ばれ、以後約450年にわたって帝国の基本法として機能しました。しかしこの「憲法」は帝国を強化するどころか、皇帝権を制限し諸侯の自立を制度的に保証すると…