マニュアルはあればそれですむものではない。手順のおおくは担当者の微妙な塩梅に依っているし、細部はそれぞれ試行錯誤のすえにたどりついたものだ。マニュアルをきちんとつかうためには、マニュアルに沿って仕事をするなかで、マニュアルの核をつかみ、マニュアルを塩梅できるところまで、業務に習熟しならなければならない。 そのような人間がいなくなれば、何もかもはじめからやり直しになる。つまり、マニュアルはつくるだけでもたいへんだし、マニュアルを柔軟につかえるようにするには、時間をかけてひとを育てなければならない。 おまけに、そうして苦労してつくったマニュアルも、時がたてば更新せねばならなくなる。つまるところ、ど…