柴田直治『ルポ フィリピンの民主主義』岩波新書を読了。 かつて、ピープルパワー革命で独裁者マルコスを追放し、民主的な政治を手に入れたはずのフィリピン。それがなぜ、ドゥテルテのような強権的な人物を大統領に選んだのか。そして、かつての暗黒時代の象徴ともいうべきマルコスの息子、ボンボンを大統領に選んだのか。なんとも理解しがたいその実態を、さまざまな角度から解説した1冊。 それにしても圧巻なのは、ドゥテルテ時代の司法、行政、立法、警察などの腐敗ぶりだ。日本という国のあり方からは信じられないほどの事件が日常的に起きているというのに、それでいて最後までデゥテルテの支持率は落ちなかったのだという。 そして、…