角川書店(2021)【あらすじ&ひとりごと】 中島京子さんの作品は初めてです。直木賞受賞作品の『小さいおうち』のイメージだけで、今まで読んだことはありませんでした。 登場する人物は、それぞれ事情を抱える訳ありですが、味があってとてもユーモア。後味のよい作品でした。 職を失った青年・栗田拓海は、自転車旅行中に雨に降られ、窓の灯りとおいしそうなスープの匂いにひかれ、古びた建物「ムーンライト・イン」を訪ねる。 そこには、かつてペンションであったが今は世代の違う3人の女性がそれぞれ事情を抱えて過ごしていた。 そして一晩限りの雨宿りのつもりが、拓海もしばらく居候することになり、奇妙な共同生活が始まる。 …