旧約聖書に収録。 神ヤハウェが、サタンにそそのかされて人間ヨブを試すという話。 神と人間のあいだをとりもつ存在がほのめかされ、のちのキリスト誕生を予言しているとする説もある。 文学的評価も高い。ノルウェー記者クラブによる世界文学百選にも名前がある。 内村鑑三(「ヨブ記講演」)、C・G・ユング(『ヨブへの答え』)、キルケゴール(『反復』)、吉本隆明(『ほんとうの考え、うその考え』)などをはじめとして、キリスト者に限らず多くの思想家が言及している。 「約百記」と表記されることも。
――断罪の快楽、手のひら返し、そしてヨブ記の経済 最初に断っておく。 この記事は、たぶん読みやすくない。 復讐劇や断罪ものの話から始めるが、作品批評だけをするつもりはない。途中から金銭、所有、信用、信仰、負債、そしてヨブ記の話へ入る。 ここでいう「経済」は、金銭市場だけを指していない。 何が差し出されるのか。何が受け取られるのか。何が価値として流通するのか。何が担保にされるのか。誰が損失を引き受けるのか。何を失っても、なお残るものはあるのか。 そうした交換、信用、負債、保存、変換の構造を、ここでは経済と呼ぶ。 その意味では、信仰にも経済がある。正義にも経済がある。断罪にも経済がある。 そして、…
善は徳目ではない 善は性格の良さではない。気分でも美談でもない。断裂や負債に対して、なお閉じようとする責任に近い。 善意には維持費がかかる 怒りを飲み込み、絶望を処理し、損を引き受け、壊し返す側へ行けるのに行かない。そのためには時間が要る。体力が要る。意味づけが要る。ときには人生そのものが要る。 善は供給されがち 善意を信じない者ほど、他人の善意を無償資源として要求する。自分は維持費を払わないまま、なお善くあれと他人に言う。そのとき善は倫理ではなく搾取になる。 善は報酬ではない 善は報われる権利ではない。むしろ、報われないことを前提にしてなお閉じようとする側にある。だからこそ維持費が高い。 善…
「それでもなお善くあれ」という言葉は、一見まっとうに見える。 だが私は、この言葉がときどきひどく暴力的に響く。 善意の人が、善意は必ずしも報われないと知ったうえで、なお善意によるか。そこにはたしかに、一つの智慧がある。だが、善意を信じてもいない人が、それでも善くあれと他人に要求するなら、話は変わる。 なぜなら、その人は善意がどれほどのコストで維持されているかを知らないからだ。 善意は、気分ではなく維持費のかかる構造である 善意は、ただ優しくあればいいという話ではない。怒りを飲み込み、絶望を処理し、損を引き受け、壊し返す方へ行けるのに行かず、それでもなお壊さない側に立つこと。そこには時間が要る。…
愛がなければ ヨブに感情移入できなかった理由 神様にスルーされるエリフ 隣人を愛することの本当の意味 youtu.be 愛がなければ 私はヨブではなく、エリフの立場にいたのだと気づきました。 ヨブに感情移入できなかった理由 ヨブ記を読むとき、みなさんは誰に感情移入するでしょうか。多くの人はヨブだと思いますし、私もそうでした。苦難に遭ったときは、ヨブのように神様を信頼して乗り越えよう、そのような教訓として受け取っていたように思います。 しかし、よく見てみると、ヨブは意志の力で苦難を乗り越えたわけではありません。むしろ、苦しみの中でどうしてよいか分からず、神様を求めて叫び続け、最後に神様の御声を聞…
『想像力は、知識よりも大切だ。知識には限界がある。想像力は、世界を包み込む。 アインシュタイン『アインシュタイン150の言葉』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)』 「知識には限界がある」というのは、思わず、「その通り」と言いたくなります。 アインシュタインと言えば、舌を出した写真で有名な人です。 ただ、それだけではない業績を残したと伝えられています。 有名なのは、相対性理論です。 ただ、21世紀に生きている人間たちは、天体がどのようなメカニズムかに仮説を立てて検証し続けていると表現した方が良いような状態に見えます。 歴史を見れば、「天動説」「地動説」など、政治体制、統治体制を維持するために…
映画『シリアスマン』:人生の不条理に抗う男の悲喜劇 鬼才コーエン兄弟が、自らのルーツであるユダヤ系コミュニティーを舞台に描く、哀しくもおかしい人生の不条理劇です。1967年、アメリカ中西部郊外に住む数学教授のラリー・ゴプニックは、敬虔なユダヤ教徒として、妻とふたりの子供と平凡な生活を送っていました。しかし、彼は突然、次々と不幸に見舞われます。妻からの離婚宣言、学生からの賄賂をめぐる脅迫、同居する兄の無職とトラブル、そして突然の健康問題。真面目に生きているはずなのに、なぜ自分だけがこんな目に遭うのか。ラリーは、人生の「答え」と「道徳」の指針を求め、コミュニティーの相談役であるラビたちに話を聞いて…
『人びとが、かれらのすべてを威圧しておく共通の力なしに生活している時代には、かれらは戦争とよばれる状態にある。しかもその戦いは、各人の各人にたいする戦いである。 トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』(岩波書店)』 「理解不能、制御不能」な何かが、世の中を動かしているように感じます。 21世紀になり、益々、その傾向は強くなっているのではないでしょうか? 人間は、戦時においても、平時においても、生活を営む必要があります。 抑圧下では、制限を受けます。それでも、制限された自由はあると考えられる状態かどうか課題がありますね。 一方、平時になり、制限を受けずに、自由を満喫できるのなら、これもまた課題です。…
ヨブ記37章 このことによってもまた、私の心は震え、その場から動揺する。1 これによって私の心はおののき、その所からとびのく。 主の声の響きと、主の口から出る音に、よく注意して聞きなさい!2 しかと聞け。その御声の荒れ狂うのを。その御口から出るとどろきを。 主はそれを全天の下に、また、そのいなずまを地の果てまで遣わされる。3 神はそのいなずまを全天の下、まっすぐに進ませる。それを地の果て果てまでも。 それに続いて声が鳴り響き、主はその威厳ある声で雷鳴をとどろかせる。そして、その声が聞かれる時、主はそれらをとどめられない。4 そのあとでかみなりが鳴りとどろく。神はそのいかめしい声で雷鳴をとどろか…
ヨブ記38章 主は嵐の中からヨブに答えて言われた。1 主はあらしの中からヨブに答えて仰せられた。 ヨブ記38章2節 要研究 知識のない多くの言葉で助言を暗くする者は誰か? 知識のない多くの言葉で計画を暗くする者は誰か? 知識のない多くの言葉で助言{弁護・計画・目的}を暗くする{ヒフイル態}者は誰か?知識のない言葉で計りごとを暗くする者は誰か。Who is this that darkeneth counsel by words without knowledge2 知識もなく言い分を述べて、摂理を暗くするこの者は誰か。 さあ、男らしく腰に帯を締めよ!私はあなたに問い、私に告げよう。3 さあ、あ…
ヨブ記31章 私は自分の目と契約を結んだ。それなのに、どうして女奴隷を見ることができようか。1 私は自分の目と契約を結んだ。どうしておとめに目を留めよう。 上からの神の分け前、高い所からの全能者の嗣業は、いったい何なのだろう。2 神が上から分けてくださる分け前は何か。全能者が高い所から下さる相続財産は何か。 不義の者にはわざわいが降り、不法{不義}を行う者にはわざわいが降りかかるではないか。3 不正をする者にはわざわいが、不法を行う者には災難が来るのではないか。 神は私の歩みを見て、私の歩みをことごとく数えておられるではないか。4 神は私の道を見られないだろうか。私の歩みをことごとく数えられな…