古代ローマの建築家たち 表紙 古代ローマの建築家たち 場としての建築へ 板屋リョク 著 丸善 発行 平成13年8月25日 発行 はじめに 本書では古代ローマ時代以後の二千年間にとって重要な建築が集中的に現れた特別な時期に注目しています。 その時期は、マルグリット・ユルスナールが『ハドリアヌス帝の回想』の構想段階で見出したフロベールの書簡集の中の次の一節と符合している。 《キケロからマルクス・アウレリウスまでの間、神々はもはやなく、キリストはいまだない、ひとり人間のみが在る比類なき時期があった》 便宜上、キケロと同時代のスッラの世代の建築家たちから、皇帝の名簿ではマルクス・アウレリウス帝の祖父に…