アントワープ聖母大聖堂の正面には、ネロとパトラッシュが寄り添って眠るモニュメントがあります。ベルギー人アーティストによって制作されたこの像は、日本人観光客を意識して設置されたともいわれています。 大聖堂には日本語のパンフレットが用意され、周囲のお店にはふたりをモチーフにした土産物も並んでいました。思った以上に、多くの日本人がこの地を訪れているようです。 実は私自身、2年前からベルギーに暮らしていながら、「フランダースの犬」といえばアニメ版のラスト──ネロとパトラッシュが天に召されるあの名シーンしか知りませんでした。物語の背景や原作には、これまで触れたことがなかったのです。 そんな折、レイバーデ…