将来を嘱望されたバレリーナドミニカが、陥れられた怪我の負い目を契機に、叔父の手引きでロシア情報機関の女スパイとして歩んでいく。 「真」と「偽」がかようにグルグルと分からなくなっていく体験は珍しい。 が、ロシアという諜報国家、今では「フェイクニュース」の量産国家の一端を巧く描き出してる面もあるのでは、とも感じた。 ドミニカの叔父は、スパイ養成学校での従順さより、自分同様の「本質を見抜く能力」を、ドミニカに見出した。 ドミニカが守りたいのは、「母との生活」だ。 そこからブレない・揺るがない「強さ」があるから、彼女自身が中心となり「真実」を「創り出す」力がある。 こんな言い方はしたくはないが、「事実…