◆フランス革命(1789~99)の捉え方は、大きく変わってきました。半世紀前は、自由・平等を掲げた、典型的なブルジョワ革命(市民革命)とされていました。その後(30年ぐらい前からでしょうか)革命の心性や政治文化に焦点が当てられ、やがて国民国家の創生に重点をおいた見方が一般的になりました。この見方は現在も続いていますが、近年は、革命の複合性と功罪が多角的に検討されるようになったと思います。 ◆フランス革命の複合性に焦点を当てているのは、山川の『新世界史』です。「複合革命」というコラムで詳しく述べています。貴族、ブルジョワジー(平民の中の裕福な階層)、都市民衆、地方の農民という4つの勢力の対立・協…