静岡県西部(遠江)に広がる三方ヶ原台地と磐田原台地は、日本を代表する洪積台地(こうせきだいち、diluvial upland)です。大昔に、天竜川の扇状地が隆起したものです。これらの台地は、標高100〜200メートル程度と低いのが特徴です。なお、洪積diluvialは、「ノアの大洪水」を意味しているので、最近は科学用語としては不適切ということで使われなくなってきているようです。 三方ヶ原の戦い 徳川家康の軍が、武田信玄に大敗した三方ヶ原の戦いですが、この合戦の本戦を含めて、その前後の戦いでも、この2つの台地の特徴的な地形が大きく関わっています。 三方ヶ原の戦いの前哨戦は、三ヶ野(磐田市東部、太…