【紡ぐ労働】 これまでの歌は、麻を刈る・天日に干す・水に曝すという労働でしたが、天日に干す前には糸を紡ぐ、という労働もあります。この歌も、男目線で、女性労働を歌う歌です。 (東歌 相聞 未勘国歌 巻十四の三四八四)(歌は省略) 麻の繊維を紡いで麻糸にするためには、あらかじめ麻の繊維を蒸しておく必要があります。そうして、紡ぐわけですが、その紡ぐ直前の繊維のことをここでは『ヲ』と表現しているわけです。それが麻の『ヲ』であれば、『アサヲ』ということになるでしょう。『ラ』は複数を表しますから、『アサヲ』の山が複数、その場にあったと考えられます。・・・次に、『麻笥(をけ)』とは、紡いだ麻糸を入れる容器の…