―その2001― ●歌は、「奥山の菅の葉しのぎ降る雪の消なば惜しけむ雨な降りそね」である。 高知県大豊町粟生 土佐豊永万葉植物園(7)万葉歌碑(大伴安麻呂) ●歌碑は、高知県大豊町粟生 土佐豊永万葉植物園(7)である。 ●歌をみていこう。 題詞は、「大納言大伴卿の歌一首 未詳」<大納言大伴卿(おほとものまへつきみ)が歌一首 未詳>である。 (注)大納言大伴卿:旅人の父、安麻呂らしいが、未詳となっている。 ◆奥山之 菅葉凌 零雪乃 消者将惜 雨莫零行年 (大伴安麻呂 巻三 二九九) ≪書き下し≫奥山(おくやま)の菅(すが)の葉(は)しのぎ降る雪の消(け)なば惜(を)しけむ雨な降りそね (訳)奥山…