【ああいえば、こういう】 「『ああいえば、こういう』という男女間のやり取りは、・・・一つの文芸の伝統であり、歌垣の文化の流れを引き継ぐものである、と考えることもできます。・・・取り上げる歌は次の二首です。・・・ (相聞 巻四の七七五)(同 同七七六)(歌は省略) こちらのカップルも『ああいえば、こういう』という感じですね。」 【家持には十五歳年上の恋人がいた?】 「『万葉集』をひもとくと、家持は合計で十二、三人の女性と恋歌のやり取りを残しています。しかし、双方の歌が残っている女性は意外にも少ないのです。坂上大嬢・笠郎女・巫部麻蘇娘子(かむなぎべのまそをとめ)・日置長枝娘子(へきのながえのをとめ…