第九章 揶揄と笑い 【反発しあう男と女】 「『万葉集』を読んでいると、男女の間で交わされている歌に・・・互いが互いを笑いものにしたり、揶揄したりというふうに反発しあっている内容の歌が多い・・・有名な歌を挙げるとすれば・・・ (相聞 巻二の一〇三)(同 同一〇四)(歌は省略) 明日香のミヤコに降った雪を見た天武天皇が、大原にいる藤原夫人に贈った歌です。明日香に降った雪が大原に降らないはずもなく、これは相手をからかった歌です。しかも藤原夫人の住んでいる大原を『古りにし里(=古ぼけた里)』と揶揄しています。・・・もちろん藤原夫人も・・・相手の表現をそのまま借りて逆襲するのです。ナーニをいってるんです…