4.0 ビクトルエリセの(ドキュメンタリーや短編を除いた)三作目の長編映画、とのこと。ミツバチのささやき(1973)、エルスール(1983)、そして本作(2023)という寡作ぶりだった。 あらすじは──、20年以上前映画撮影中に失踪し行方知れずになった主演俳優フリオ。その映画を監督したミゲルが未解決事件を扱うテレビ番組に出演したところ、記憶喪失になり別人として暮らしているフリオが見つかる。記憶がもどるかもしれないという一縷の望みをたくして映画上映会が行われる。──というもの。 記憶がもどるかもしれないという一縷の望みをたくして映画上映会が行われる。──のは感傷的なので、感傷に落ちないような工夫…