人は、どちらか一方に決めてしまいがちである。その方が楽だし、差し当たり問題も起きない。だから、小学校で「クラスでの遊び」は多数決で決めるのが当たり前。「鬼ごっこと椅子取りゲーム、どちらの人も満足できる遊びをするにはどうしたらいいですか」なんて聞かれた人はほとんどいないはず。 しかし、筆者はそれを「択一思考の罠」と呼ぶ。この罠の厄介なのは、うまくいった方法を人は強化してしまうところ。それはまるで不思議の国のアリスに出てくる深い深い「ウサギの穴」。そこを脱しようと逆振りしようとすればビルを解体する「鉄球」のようにいろんなものを壊すし、最後は「塹壕戦」よろしくそれぞれの意見に固執し、敵対し、溝がどん…