言うまでもなく,アニメは映像表現だ。それはもっぱら“観る”こと,つまり視覚を経路として鑑賞されることを目的としている。しかしまたアニメは,例えば小説原作作品のように“語り”から生まれることもある。あるいは,その考察やレビューといった形でーまさしくこのブログがそうなのだがー“語り”を生むこともある。さらにアニメは,キャラクターのセリフという形で“語り”を内包している。アニメと語りの間を隔てる差異は決定的だが,その距離は意外にも近い。両者は異質な媒体として,互いに寄り添い,補い合い,支え合っている。 今年,アニメと一緒に読んだ本たちは,そんなアニメと語りの“遠くて近い”関係を改めて実感させてくれた…