「人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか」 ブライソン・ビル <所感> 宇宙と海は冒険の行き先としてラストフロンティアと呼ばれるが、一番身近で永遠の謎は自分の体、人体にある。 人体という究極のシステムを多角的にそして歴史的に切り込んでいる。 約500ページのボリューム満点の本書だが、とにかく面白く、筆力によりぐいぐい引き込まれる。 筆力を要素分解すると特徴な3点がある。 1)ウイットに富んだ具体的な比喩 呼吸するたびに吐き出す酸素分子は2.5 x 10^22個(250垓個)。一日呼吸をすればこれまでに存在したあらゆる人が吐き出した分子の少なくとも1個を吸い込んでいる可能…