藤本タツキの漫画『チェンソーマン』について書く。 物語の中心軸 物語はマキマとデンジの関係性を中心に進行する。それ以外の登場人物はすべてこの中心軸に寄与するためのサブキャラクターに過ぎない。デンジにとってマキマは恋人であり母親である。同時に上司であり、巨大な敵でもある複雑な存在だ。物語の序盤でデンジはマキマと出会いその庇護下に入るのだが、最後にはマキマを倒してその支配から脱する。そこで物語はエンディングを迎える。 搾取と支配 デンジは第一話ですでに搾取されている。彼は借金まみれで働いており、食べる物にも困っているぐらいだ。彼を搾取する立場のヤクザの老人はこう言う。「それにデンジのいいトコは逆ら…