人体模型曰く。 孤独の嫌いな女もいるんだわ。死ぬのさえ独りじゃ我慢できない、そんな女もいるんだわ。 中島らも『人体模型の夜』(集英社 1995年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 一人の少年が「首屋敷」と呼ばれる薄気味悪い空屋に忍び込み、地下室で見つけた人体模型。 その胸元に耳を押し当てて聴いた、現用と畏怖の12の物語。 18回も引っ越して、盗聴を続ける男が、壁越しに聞いた優しい女の声正体は(耳飢え)。 人面瘡評論家の私に男が怯えながら見せてくれた肉体の秘密(膝)。 眼、鼻、腕、脚、胃、乳房、性器。 愛しい身体が恐怖の器官に変わりはじめる、ホラー・オムニバス。 裏表紙より 【読むべき人】 ・…