国際連合総会決議により採択された多国間条約。1951年(昭和26年)7月25日、発効。
日本においては、「昭和33年条約第9号」として1958年7月30日に公布・効力発生。
売春及びこれに伴う悪弊である買収を目的とする人身売買は、人としての尊厳及び価値に反するものであり、かつ、個人、家族及び社会の福祉をそこなうので、
婦人及び児童の売買の禁止に関し、次の国際文書、すなわち、
- 千九百四十八年十二月三日に国際連合総会で承認された議定書により改正された千九百四年五月十八日の「醜業ヲ行ハシムル爲ノ婦女賣買取締ニ關スル國際協定」
- 前記の議定書により改正された千九百十年五月四日の「醜業ヲ行ハシムル爲ノ婦女賣買禁止ニ關スル國際條約」
- 千九百四十七年十月二十日に国際連合総会で承認された議定書により改正された千九百二十一年九月三十日の「婦人及兒童ノ賣買禁止ニ關スル國際條約」
- 3に掲げる議定書により改正された千九百三十三年十月十一日の成年婦女子の売買の禁止に関する国際条約が有効であるので、
千九百三十七年に、国際連盟は、前記の文書の適用範囲を拡大する条約案を作成したので、また、
前記の文書を統一し、かつ、千九百三十七年の条約案の内容に望ましい変更を加えたものを具体化する条約を締結することが、千九百三十七年以来の諸事情によつて可能となつているので、
よつて、締約国は、ここに、次のとおり協定する。
- 第一条
- この条約の締約国は、他人の情欲を満足させるために次のことを行ういかなる者をも処罰することに同意する。
1 売春を目的としてたの者を、そのものの同意があつた場合においても、勧誘し、誘引し、又は拐去すること。
2 本人の同意があつた場合においても、その者の売春から搾取すること。
以下、略