小説家、評論家。明治36年(1903)北海道生まれ。昭和59年(1984)81歳で死去。今東光は長兄。
東京帝国大学在学中から、河原崎長十郎らの心座に参加するなど演劇活動に携わる。一方、「文芸首都」「作品」「行動」「文学界」などの同人となり、評論、随筆を書き、ジッドの作品の翻訳も手がける。文芸誌における映画時評の草分けでもあった。
昭和16年陸軍報道班員として微用され、フィリピンに。19年に再度フィリピンに渡り、敗走する日本軍に従い九死に一生をえて帰還。戦後、この体験をもとに戦記「山中放浪」を出版し、昭和25年には「天皇の帽子」で直木賞を受賞。
主な作品に「三木清における人間の研究」「吉田茂」「隻眼法楽帖」など。