ほとんどの宗教では、信者はその宗教の神を拝みます。ところが、仏教で崇拝するのは仏(ブッダ)です。仏を神とは呼びません。なぜでしょうか?それは、仏教では仏とは神をも超越していると見るからです。 古代インドには、すべての生き物は死と再生を繰り返すという「輪廻」の概念がありました。輪廻を繰り返すのは人間だけでなく、神々を含むすべての生き物です。生まれ変わりを繰り返す中で、虫になることもあれば、神になることもあります。 「死んでも終わりにならないなら、いいことだ」と思うかもしれません。しかし、古代インドの人々は、輪廻を喜びませんでした。なぜなら、生まれ変わりを繰り返すことは、死を繰り返すことでもあるか…