今日から鈴木大拙の禅の師、釈 宗演の紹介に入ります。金井先生の生前、この辺りの原稿に取り組んでいた当時、正直私は「ここまでやるか…」と思わずにはいられませんでした。私個人は興味があるし面白いのですが、話を広げ過ぎているのではないかと思いました。 しかし次第に、幕末から近代初頭の日本仏教にとって最も苦しい時期に、今北洪川や釈宗演が寺に閉じこもるのではなく世界に門を開き、禅の生き残りをかけて努力したこと、大拙がその志を継ごうとしたことは学ぶところがあると思うようになりました。 先生が亡くなった翌年、新型コロナ禍が始まりましたが、今というマスクをしなければ電車に乗ることも買い物をすることもできない現…