前回のブログでは、人間の赤ちゃんは身体的には非常に未熟な状態で生まれてくる一方で、脳は胎児の段階から加速度的に発達を遂げているというアンバランスが生じていることを指摘しました。その結果人間の赤ちゃんは、他覚的には無能の状態であるにも拘わらず、自覚的には万能感を抱いている状態であることを検討しました。 他覚的には無能であるのに、自覚的には万能であるという驚くべき矛盾。人間の赤ちゃんはこの絶対的な矛盾からスタートします。この矛盾が人間が文化を生む源泉である一方で、将来的に人の精神を蝕む要因にもなっているのです。 今回からのブログでは、人間の赤ちゃんがこの矛盾を克服して行く過程を検討してみたいと思い…