佐々本氏はこれまでに2冊の詩集を出版している。《第1詩集『ロプロプ』(草原詩社 2003年)、第2詩集『よるのいえのマシーカ』(ふらんす堂 2013年)》 詩集と詩集のあいだに、少し簡素な造りの小詩集をいくつか出している。 今回紹介する詩集は昨年の冬に私家版で出されていて、冊子の造りから小詩集と捉えて紹介する。毛糸の雪だるまのかわいい表紙に寓話的で物語性の強い17篇の作品が収録されている。お話と現実と夢の3つの世界が混在しており、一見、少女的要素が濃い詩集に思える。しかし読み進めると現実的な描写が多いことに気がつく。 ぬるぬるした皮膚をしたみどりいろの こどもくらいの大きさのいきものが 地下の…