戦後から、現在に至る迄の詩を、一般に現代詩と呼んでいる。 詩の愛好者が、現代の日本で、詩が読めると言う事は、大変な僥倖だと思われる。 現代詩は、日本の至宝である。 日本の伝統的な詩である短歌や俳句に定型が有るのに対して、現代詩には、全くそれが無く、完全に自由である所に特徴が有る。 それは、20世紀初頭のヨーロッパの散文詩を手本としている所に起因しているものと思われる。 その当時のヨーロッパでも、定型詩である韻文詩を書く詩人は居なくなっていた。
あまりむずかしい主義主張をふまえた上で書いている詩人の詩は、読んでいても、わたしには、いまいちピンとこない。もちろん詩は、なんらかの意味の伝達が目的ではないにしろ、本当に混乱しているとしか感じられないような詩は、たいていの場合、読まれなくなり、歴史の片隅に消えていく。そういうものじゃないかと思う。 手軽に読める、わかりやすい詩集はないかと探しているときに、本屋の本棚に『プレヴェール詩集』(岩波文庫、小笠原豊樹訳)を見つけた。簡単に、この本について書こう。 表表紙の紹介には、「恋愛映画の名脚本家であり、シャンソン「枯葉」の作詞家でもある、フランスの国民的詩人ジャック・プレヴェール(1900-77…
「中国の詩人」を読んでいたのが、20代の終わり頃だった。 そして今、それを再読している。 それよりもさらにさかのぼって、高校生だった頃に、日本の詩人たちの作品を読んでいた。 角川文庫の「現代詩人全集」である。 角川書店から、全10巻で刊行されていた。 1960年から1963年にかけて、順次発行されたらしいので、私が高校に入学した1969年には、すでに全巻そろっていた。 これも、また読んで見たい気持ちになり、さっそくアマゾンで検索してみた。 全10巻のほとんどが、見つかった。 一冊、300円から800円くらいで、プラス送料300円といった感じである。 まあ、50年以上前のものなので、その頃の値段…
3週連続でpixivにて作品を公開中です。 www.pixiv.net 【創作百合SF】そして新たなる星の下へと 【創作百合】桜降る、ひそやかなお茶会の先に 春暮の天使 【創作百合SF】そして新たなる星の下へと www.pixiv.net kakuyomu.jp OCのちょっと奔放な女の子×ギークな訳ありの女の子の創作百合SF小説です。 こちらの小説はpixivのコンテストである「執筆応援プロジェクト〜夜〜」に投稿しています。 以下に紹介記事や裏話などを書いています。 poesy-snow.hatenablog.jp poesy-snow.hatenablog.jp 個人的にここ最近書いてきた…
野は褐色と淡い紫、 田圃の上の空気はかすかに微温い。 何処から春の鳥は戻る? つよい目と 単純な魂と いつわたしに来る? 未だ小川は唄ひ出さぬ、 が 流れはカチカチ光る。 それは魚鱗? なんだかわたしは浮かぶ気がする、 けれど、さて何を享(う)ける? (『早春』伊東静雄 詩集夏花より<青空文庫参照>) ある大学の研究室での昼下がり。国文学者F先生との話し。 私「まだまだ寒いですねぇ・・・あ~熱いお茶が・・おいしい・・・」 F「そうですねぇ・・・この時期の午後の昼下がりっていうのは・・・ あ・・そうだ・・・ノリモ君・・・ この本の詩を見てみて・・・どうですか・・・」 私「いとぉ・・しずぉ・・・っ…
はじめに 【創作百合SF】そして新たなる星の下へと 散文詩「春暮の天使」 はじめに pixivにて、2週連続で作品を投稿中です。 www.pixiv.net 更新したのは創作百合SF掌編「そして新たなる星の下へと」と散文詩「春暮の天使」です。 以下に過去の記事等の紹介も載せつつ、作品について触れていきたいと思います。 【創作百合SF】そして新たなる星の下へと www.pixiv.net kakuyomu.jp 先日別作にFAを描いてくださった創作仲間にシェアしたところ、感想をいただいたので、それを踏まえて改めてこの作品について語ってみようと思います。 「もう、わたしのデータがメテラに呑まれるの…
この画像はフリープランお試し用に廉価版であるFLUX.1[schnell]で生成したものです。有料プランではより高性能なモデルが利用可能です。フリープランで2回目以降は画像の生成ができません。 true入沢康夫 入沢康夫は、日本の現代詩において独自の地位を確立した詩人であり、革新的な詩作で多くの読者を魅了してきました。本記事では、入沢康夫の生涯や代表作を詳しく紹介するとともに、彼の詩が持つ特徴や現代詩への影響について解説します。また、入沢康夫の詩をより深く理解するためのポイントも提供し、初心者から愛好者まで幅広い読者が楽しめる内容となっています。この記事を読むことで、入沢康夫の詩がどのように生…
散文詩「春暮の天使」 散文詩「やがて崩落する世界で」 散文詩「春暮の天使」 www.pixiv.net ここのところ某所で別所での創作のため、資料として人形写真集を購入する頻度が増えていて、森馨さんの人形写真集『眠れぬ森の処女(おとめ)たち』もその一環としてお迎えしました。 眠れぬ森の処女(おとめ)たち (TH ART Series) 作者:森馨 書苑新社 Amazon そしてようやく手に取ってみると、自分自身が彼女の作品を実際に生で拝見した時に感じた時の感動と、書物となって文章と共に立ち現れた人形の中にある官能美、そして自分の志向する表現とが重なって、どうしても作品の中に留めておきたいという…
【創作百合SF】地の果てに星降る頃まで 散文詩「海原の揺籃期」 【R-18】創作BL散文詩「やがて崩落する世界で」 【創作百合SF】地の果てに星降る頃まで www.pixiv.net kakuyomu.jp執筆応援プロジェクト〜夜〜に参加中の一作です。父によって屋敷に監禁されている眼鏡お嬢様×OCのAI少女の創作百合SF掌編小説です。バレンタインに若干遅刻してしまいましたが、どうしてもバレンタインネタを書きたかったのでした。作業BGM:Billie Eilish/HIT ME HARD AND SOFT open.spotify.com 百合ということもあり、またバレンタインネタの小説でもあっ…
何の価値もない詩を高校のころから書いてて掲示板では詩人とまで名乗ってました今回は一篇だけ載せます地獄へ空虚な天国この現実みたいに空虚だから自分は 地獄への切符を掴んで他の国へと向かった こんな厭世的な詩ばっか書いてます 感想お待ちしております。
著者である詩人の渡邊十絲子さんは、日本人と詩(特に現代詩)の距離が広がっていることを嘆いている。そういえば、詩の芥川賞と呼ばれるH氏賞はメディアでもそれなりに扱われていたはずだ。過去の受賞者のリストを見てみたが、恥ずかしながら2009年受賞の田原(ティエン・ユアン)さんを最後に知らない。彼についても谷川俊太郎の研究者として知っているのであって、作品を読んだことがあるのは1990年の高階杞一さんまで遡らないといけない。過去に、石垣りん、富岡多恵子、黒田善夫などが受賞しているにもかかわらずだ。 比較的新しい詩の文学賞に山口市が実施している中原中也賞があって、こちらは、和合亮一、蜂飼耳、アーサー・ビ…