今回ご紹介するのは、ミュンヘン在住の詩人四元康祐の小説『偽詩人の世にも奇妙な栄光』。創作とは何かという根源的な問いに挑みます。 あらすじ おすすめポイント 四元康祐との出会い 独創と模倣の間 偽詩人の最期 今回ご紹介した本はこちら あらすじ 主人公の中年男は少年時代から、誰よりも詩というものに焦がれながら、どうしてもオリジナルの詩を書くことができない。彼は、ある時、海外で出会った無名の詩人の詩を翻訳することで、詩を創る喜びを疑似体験できることを発見する。その行為は単なる翻訳を越え、日本語に合うようリメイクを施し、時には複数の詩を掛け合わせ、もはや元の詩の原型はほとんどなくなってしまう。そして、…