インターホンが鳴った。 ほんとうに来やがった。 モニターにルーメンが大映し。 鍵を開けてやる。 「へへ~。別に開けてくれなくても、 萌花ちゃんが合鍵、持ってるんだよね」 ワインもらってきたよ。 けっこう高級な赤と白を、両手で掲げた。 うーん、それはうれしい。 あとから入って来た萌花が 「お料理ももらってきた」と包みを抱えている。 豪勢な二次会だ。 「お仏壇は?」 ルーメンが言う。 「奥の部屋」 萌花がルーメンを案内する。 ふたりが正座する。私も後ろに座った。 カノンの遺影。 手を合わせる。 ルーメンが語り始めた。 「奥様、三ツ色センセーね、お葬式の次の日、学校に来たんですよ。 ひどい顔して。セ…