歌舞伎・浄瑠璃「伽羅(めいぼく)先代萩」の通称。
(1)歌舞伎の一。時代物。奈河亀輔(かめすけ)作。1777年大坂中の芝居初演。通称「先代萩」。伊達騒動を脚色したもので、乳人(めのと)政岡の忠義、実悪の代表的役どころである仁木弾正の活躍で名高い。現行台本は同種の脚本を集大成したもの。 (2)(1)を浄瑠璃化したもの。松貫四(まつかんし)・吉田角丸らの合作。1785年江戸結城座初演。通称「先代萩」三省堂提供「大辞林 第二版」より
(1)歌舞伎の一。時代物。奈河亀輔(かめすけ)作。1777年大坂中の芝居初演。通称「先代萩」。伊達騒動を脚色したもので、乳人(めのと)政岡の忠義、実悪の代表的役どころである仁木弾正の活躍で名高い。現行台本は同種の脚本を集大成したもの。 (2)(1)を浄瑠璃化したもの。松貫四(まつかんし)・吉田角丸らの合作。1785年江戸結城座初演。通称「先代萩」
三省堂提供「大辞林 第二版」より
あす14日(日)は5月の歌舞伎座公演 團菊祭五月大歌舞伎のチケット一般発売日です! 「團菊祭」というのは、明治の名優である九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎の二人の功績を讃えるための興行です。毎年五月に、ゆかりの演目をゆかりの家の方々そろい踏みで上演されます。 お出かけにぴったりの時節ということもあり人気の公演ですので、チケットは早めの確保をおすすめいたします! 公演の詳細 www.kabuki-bito.jp 一般発売日 4月14日(日)10:00~ 【チケットWeb松竹】 会期・上演時間 2024年5月2日(木)~26日(日) 昼の部 11:00~夜の部 16:30~ 休演日:8日(水)、…
2024年4月大阪公演、5月東京公演で上演される『和田合戦女舞鶴』の全段の解説です。公演では断片的な上演となり、内容がわかりづらくなるため、全体を通した内容を紹介します。 contents ┃ 概要 理法権 女性主人公・板額 門破り ┃ 登場人物 ┃ あらすじ 初段 大序 鎌倉将軍館の段 別殿の段 紅葉狩の段 二段目 鶴が岡放生会の段 藤沢入道館の段 藤沢入道館門外の段(板額門破り)※現行上演可能 三段目 鎌倉御所の段 軍勢玉の小桜(景事) 禅尼館の段(市若初陣の段)※今回上演部分 四段目 道行こがれ松虫 三条口の段 小倉山山荘の段 五段目 戦場の段 ┃ 概要 初演=元文元年[1736]3月 …
6月の誕生石と香木 6月の誕生石はムーンストーンと真珠、欧米ではアレキサンドロライトも挙げられる。月の石の名を持つムーンストーンは淡い乳白色でまさに月の光のような光沢を放つ。和名も「月長石」(ゲッチョウセキ)である。 真珠は6月の誕生石だが、冠婚葬祭のいずれにも使えることから、誕生月にかかわらず人気の高い宝石である。この真珠も乳白色の光沢から「月の雫」との異名を持つ。真珠を作り出す貝として知られるのが「阿古屋貝」(あこやがい)だが、本真珠といえば本来「鮑」(あわび)によって形成されるものを指していた。そのアワビは「石決明」とも書く。 「夷草」「胡草」と書いて(えびすぐさ)と読むマメ科の植物があ…
歌舞伎座の今年下半期のスケジュールが発表になりました~~。 www.kabuki-bito.jp おお!これは画期的!というのは、歌舞伎座情報いつも遅くて。。。 ちょっと前まで初日に翌々月の演目が発表でしたからねえ。 演目が出ても、役者の詳細がぎりっぎりまで出ない。座頭はわかっても若手がわからない。 大体おおまかに座頭がわかっているので見当はつけることはできます。 たとえば例年5月は「團菊祭」なので、成田屋、音羽屋中心。 8月は3部制で若手中心。9月は「秀山祭」なので、播磨屋中心。 10月は音羽屋が多い。12月は玉三郎が出ることが多い。11月12月は仁左衛門はどちらか京都南座など。それに従い詳…
本日は快晴の中、歌舞伎座の初日を迎えました。おめでとうございます。つつがなく千穐楽を迎えられますように。 私も早く行きたいです。 3月の演目紹介はこちら! munakatayoko.hatenablog.com そして、5月の『團菊祭』の演目も出ました!! これはなかなか楽しみな演目が並びました! 昼の部 『毛抜き』の男女蔵。父の故左團次は襲名で毛抜きを演じました。男女蔵が後を継ぐのですね。骨太で立派な粂寺弾正。楽しみです。 『幡隨長兵衛』では、團十郎と菊之助が、幡隨長兵衛×水野十郎左衛門でがっつり四つに。見ものですね。 夜の部 『伽羅先代萩』我が子を失う乳母政岡が菊之助。仁木弾正が團十郎。ま…
◾️ 初春公演、第二部、伽羅先代萩。 1月は、『先代萩』がいちばん良かった。 これぞ文楽の誇る格調高き世界。63万石を誇る大藩の奥御殿、その洗練が舞台上にあらわれていた。政岡・和生さん、沖の井・勘彌さん、八汐・玉志さんという洗練された方が重要な役を担っていたことが大きいと思う。洗練は洗練でも、3人のタイプが分かれているのも、良かった。 和生さんの政岡は、これまでに何度も観ている。コロナ禍による長期休演ののちに上演された、2021年2月東京公演の『先代萩』は、本当にものすごい舞台だった。そのときの政岡から感じたのは「情熱」。燃え上がり、また、血潮が噴き出すような姿だった。特に「政岡忠義の段」では…
今回も引き続きNFTアート用「KABUKI CREW」のキャラクターを描いていきます。 12回目のイラストレーターでキャラクター画像を描こうの記事となります。 前回から新チーム「Black Moon(新月)」のメンバーを描いています。 それではいつも通り、まずはキャラクターのベースとなる人物の選別作業を行います。 新キャラクターのベースは「成田五郎義秀」に決定 今回は、歌舞伎十八番の一つ「暫」に登場する「成田五郎義秀」をベースにキャラクターを描いていきます。 成田五郎義秀の特徴は、マジンガーZに合体するホバーパイルダーの様な髪型です。 髪型がホバーパイルダーのキャラクターは、岩永左衛門致連に続…
天気が良いから「散歩に行って来られたらいかがかしら?」と、連れ合いの言葉に背中を押されてちょっとだけ歩いた2019年4月13日……ちなみに、モーニングは西小山のポエムでホットドックを食べたようだ。 とりあえず「別所坂」を目指して出発したのだが、駒沢通りの「けこぼ坂」を下ると正覚寺前……(目黒区中目黒3-1-6) 正覚寺山門……折角なのでちょことお邪魔した。 参道正面の「鬼子母神堂」は大改修中だった。安政4年(1857年)の建立らしい。伝教大師作開運子安鬼子母神のご尊像が祀られているとのことだが、大きな建物は祈祷所となっているのだろう。 参道右手、鐘楼を背にして像や碑が並んでいる。 伊達家4代藩…
◾️ 初春公演、第三部、一つめ、平家女護島、鬼界が島の段。 近年繰り返し出ており、「いつも同じような配役」でやっていた演目だが、今回は人形俊寛役の玉男さん以外を大幅に刷新。よく言えば、演者の態度としては非常に真面目なたたずまいの舞台となっていた。 だが、相当にノッペリとしたなというのが最も正直な感想。ある程度の回数を見ている演目なので、どういう曲かはわかっているつもりなのだが、そのぶん、この平板さは、衝撃的だった。一番の問題は「なにを表現したいのかわからない」こと。物語や人物同士の関係の構造が表現できていないため、ドラマの盛り上げどころが曖昧になり、いつ、誰に注目したらいいのか、全然わからん。…
正月の第一部がこの番組編成……、本当に大丈夫なのか? と不安にさせる初春公演へ行ってきた。 ◾️ 1月大阪初春公演、第一部、一つめ、七福神宝の入舩。 七福神が宝船の上で芸を披露するという景事。舞台いっぱいの巨大な宝船の上で、寿老人は三味線で琴の音色を出し、布袋さんは腹鼓を打ち、大黒天は胡弓を聞かせ、弁財天は琵琶を奏で、福禄寿は角兵衛獅子を披露し、恵比寿さんは鯛を釣って(ひとりだけ突然の実務)、毘沙門天は下手な三味線リサイタルをはじめる。七福神というアイドルグループのはずだが、別に仲良しアピしてるとかではなく、町内会のもちつき大会の打ち上げのノリ。ガッチャガッチャのごっちゃごっちゃで、おタカラブ…
4479号 引き続き、新国立劇場の「国立劇場」初芝居。 一つ目の『梶原平三誉石切』を書いている。今日は、ちょっと作品論のようなこと。 内容は戦いのものではなく、どちらかといえば、人情噺のようなドラマ。 鶴岡八幡宮前の一場のみ。だが、そこそこ長い。そして、ちょっと、グロイ。 筋の詳細はウィキにあるのでご覧いただきたい。 比較的わかりやすい人情噺。ストーリー全体は源氏を支持するスタンスで流れ、梶原平三景時は、この時点では平氏側だが、頼朝支持に傾いている頃。そして主人公梶原は、剣の達人で、スーパーパワーを持っている。源氏支持の父娘の命を助け、間接的に源氏に味方する、といった流れ。そしてその過程がグロ…
今回も引き続きNFTアート用「KABUKI CREW」のキャラクターを描いていきます。 六回目となるイラストレーターでキャラクター画像を描こうの記事で、やっと一チーム目の「Red Angels(赤い天使)」のメンバーを全員描き終えることが出来ました。 それではいつも通り、まずはキャラクターのベースとなる人物の選別作業を行います。 前回は、長五郎、権五郎、伊左衛門をベースに制作しました。 新キャラクターのベースは「桜丸」に決定 今回は、歌舞伎の代表的演目の一つ「菅原伝授手習鑑」に登場する「桜丸」をベースにキャラクターを描いていきます。 桜丸の特徴は、髪型です。 特徴的と言っても、そこまで突拍子も…
『将門の首塚』といえば東京都千代田区大手町にある『将門塚』が超有名だが、幸手市にも『将門の首塚』があるというので、幸手駅から歩いて行ってきた。訪問日 2023年11月30日遠かった~。 浄誓寺(じょうせいじ) 幸手市神明内一四六九 通光山平親院浄誓寺と称し、浄土真宗の寺で、本尊は阿弥陀如来です。本堂裏手には平将門の首塚があります。院号の平親院は、この将門に由来するものと考えられます。さらに寺伝では、境内の薬師堂の薬師如来像は、平親院の本尊で三代目の久信が祀ったとしています。茨城県岩井市には、平将門の守り本尊という薬師如来が存在することから、これも将門と当寺との関わりを示しています。創立は慶長九…
ごくたまに、文楽鑑賞のための豆知識メモ「文楽あいうえお」をtwitterに投稿しています。twitterだとイラストで説明するコンテンツには便利なのですが、文章での説明が長いものは書けないので、テキスト主体の拡大版を、ブログに載せていこうと思います。 はじめに 『双蝶々曲輪日記』「引窓の段」に登場する南方十次兵衛は、夜はお上から仰せつかった役目を負い、昼は町人商人に戻るという二つの側面を持つ人物として設定されている。彼は、役目を負っているときには領主から授かった「南方十次兵衛」の名を名乗り、拝領した大小(太刀と脇差)を帯びている。しかし、町人に戻れば「南与兵衛」という名になって、大小を投げ出す…
映画『ゴジラ-1.0』(以下『マイナスワン』)を批判する動画を見ました。 非常に面白い。 ある種の政治的観点からこの映画を批判する意見は当然、出て来ると思っていました。 単なる難癖に過ぎないような批判は無数にあるけれど、この動画はきわめてロジカルだし、非常に説得力がある感じ。 そしてその上で、まったく共感できない(笑)。 この動画は主に映画の「リアリティ」と「人間ドラマ」について批判しているのですが、物凄く丹念に批判されているにもかかわらず、ほとんど納得がいかない。 ほんとうに作品の本質が理解されていない、何ひとつ伝わっていないんだなあといっそ感心するくらい。 そしてまた、山崎貴という監督はほ…