正徳1年8月15日。八幡祭が行われる。天気のため、八三郎様桟敷の方は戌(午後7時)過ぎにお終いにされる。左の書付は城で大久保加賀守が言い渡される。尾張では石川靭負を城に呼び、渡される。各地を巡検した報告で国・郡の治世について将軍のお耳に入れたところ、国や私領における善政が聞こえてくることもなく、たいていのしきたりも廃れ、政は上手くいかず、民は困窮していることを大変憂慮された。しかし治世は始まったばかりであり、お考えもあるようでいまだ問いただすようなことはしていない。今後は国の役人、国や郡の領主は政を怠らず、四民の生活を守るように。もし他日旧弊に戻るようであれば厳しく罰すると言いつけられる。