ところで、この前、ここで紹介した、木島泰三さんの『自由意志の向こう側』において、以下のように書かれている。 古代哲学の歴史の中で、エレア派以上に大きな転機をもたらしたとされるのがソクラテス(BC四六九年--三九九年)であり、哲学史の教科書は古代哲学史を「ソクラテス以前」と「ソクラテス以後」に分けるのが習わしになっている。 ソクラテスは、ほぼ同世代のデモクリトスとは対照的な仕方でパルメニデスを受け継いだ。 (木島泰三『自由意志の向こう側』) 自由意志の向こう側 決定論をめぐる哲学史 (講談社選書メチエ) この評価の妥当性を検討する紙幅は本書にはないが、少なくとも自然観の問題に関して言えば、ファリ…