八条院像(安楽寿院蔵) 八条院 ― 平安王朝に不動産王国を築きし皇女の盛衰 多紀理 一般に日本史の学びにおいて「荘園」という語を耳にすることが多うございます。荘園とは、田畑や山林を貴族や寺社が所有し、そこに生きる人々から年貢を受ける仕組みにほかなりません。 領地が広がれば広がるほど、収入は増し、さらには政治的な影響力すらも増してゆきます。現代に比すれば、多くの不動産を有する大地主が、社会の仕組みや流れに強く作用した姿を想わせましょう。 このような「荘園王国」を築き、平安末から鎌倉初期にかけて卓抜した存在感を放った女性がおりました。すなわち八条院(はちじょういん)でございます。 本名を暲子内親王…