公法とは、私法に対置される概念であり、一般には、国家と国民の関係の規律および国家の規律を行う法を意味する用語として用いられる。公法・私法二元論否定説によって、法機能的意義は乏しくなったとされるが、講学の便宜に関わる分類として、あるいは法の学習者が理解する容易にするための分類として、意義がいまだ大きい。なお、法学上では、公法と私法の区別の基準は必ずしも明らかではないとの見解も有力である。
公法の定義に関する観念が未確定な部分があることから、どこまでを公法に含めるかという問題も、また確定的なものではない。もっとも狭い用法では、憲法と行政法のみを指す。これに租税法、財政法、社会保障法を独立の法分野として加える見解もある。さらには、国際法を公法に含める場合もある。
より広義には、刑法や訴訟法を含める場合もあり、私法と公法の二分論的に用いられる場合の公法はこの意味に理解される場合が多い。
最広義では、経済法や環境法のような私法との交錯領域も、公法に含める場合がある。