国立劇場の十一月公演を観劇。入りは五分と云ったところだったろうか。成田屋襲名公演の裏(失礼)としては、健闘していたと云えるかもしれない。「忠臣蔵」五段目の斧定九郎をキーワードとした歌舞伎と落語のコラボ公演。今までなかったのが不思議なくらいだが、好企画だ。歌舞伎を元にした落語には『四段目』、『七段目』、『猫忠』などがあり、逆に落語を元にした歌舞伎に『文七元結』、『芝浜』、『らくだ』などがある。昔から深い繋がりがある二大庶民演芸の公演、興味深く観させて貰った。 幕開きは小朝の落語『中村仲蔵』。筆者、小朝の生口演を観るのは二十年ぶりくらいになるだろうか。昔から達者な噺家だった。まだ二十代だった小朝の…