独居老人冬ごもり籠城戦をひかえ、兵糧続々届く。 ほんの数歩違えば巡り逢えたのに、というようなすれ違いメロドラマが、昔ずいぶん流行った。このところ、人と人との出逢いもさることながら、生きてる自分と死んでいった者たちの違いはどこにあったかと、考え込む機会が増えてきた。 郷里の親戚から、大好物の保存食詰合せの、ご恵贈に与る。ありがたし。 なにせ米どころだ。ということは文化伝統的に麹にはうるさい。ひいては酒にも味噌にも、独特な自信をもつ地方である。野菜類の味噌漬が届く。いずれが美味いかというようなせっかちな噺をする気はないが、東京のものとはひと味異なる。 また海に面した市だ。漁港にも隣接する。日ごろあ…