心の中の扉を開くとそこには黒がかった青色の感情が丸くなって座っていました。 私はその丸いものを藍と呼ぶことにしました。 藍は音楽に合わせてしばらく踊っていましたが、やがて動きは緩やかになりそこにしゃがみこみました。どうしたの?と尋ねると夜の海に行きたいと藍は答えたので、夜になるのを待って海へと出かけました。 そこにはいくつもの星と細い三日月が静かに輝き、海を優しく照らしていました。 波打ち際にちょこんと座った藍は波の音を聞きながら気持ちが穏やかになっていくのを感じていました。私はそっと柔らかな毛布で藍を包みました。 どのくらい時間が経ったのでしょうか。 海の彼方向こうにまぶしい光が景色を変える…