やっと涼しくなってきた。 十月も一週間を経てやっと。 これでも未だ平年並みには程遠い、だいぶ高温傾向なのであろうが、それでも体感はずいぶんマシだ。 暑いと駄目だ、モチベーションまで溶けちまう。何もやる気が起こらない。 盛夏に於けるアスファルトの路面とは、火を通された鉄板上も同然だ。靴越しでなお足の裏を炙られる。炭火で焼かれる生肉の気持ちに仮令シンクロしたとして、それがこの先の人生に、どう役に立つというのだろうか。 熱中症のリスクに怯え、滝行の如く汗に濡れ、そんな労苦を負ってまで、求めるべきなにものが戸外に在ると云うのであろう。冷房の効いた一室に閉じこもっていた方が、百万倍もマシではないか。 ―…