旧約聖書の一部分。創世記を「祇園精舎」とするならば、「殿上闇討」に相当する部分。
モーセが著者とされる「モーセ五書」の一。モーセが書いていた場合、ある種の自叙伝ということになる(実際には著者/編集者は不明)。
大雑把に、出エジプトを果たすまでの前半と、神と契約し直して十戒を授けられる後半に分かれる。
ヨセフ以後のエジプトにおけるユダヤ人(ヤコブの子孫)の境遇が述べられる。ユダヤ人の増加に頭を痛めるエジプト王が彼らに様々な虐待を加えるが効果が無く、ついに逆ギレして「ユダヤ人の新生児の男子はナイル川に投げ込め」と命じたところで終わる。
預言者モーゼ(モーセ)がエジプトの地に誕生し、長じて神からの命を受けてエジプトからユダヤ人を連れ出すために様々な奇跡を行う(というか、エジプト人が散々ひどい目に遭わされる)。
モーゼはユダヤ人を率いてエジプトを出発する。エジプト軍の追撃を受けるが、奇跡が起きて紅海が二つに分かれたので無事に通過できた。後を追おうとしたエジプト軍は、水が戻ってきたので全滅した。
神をたたえた後で荒野を旅するモーゼとその民。だが、荒野を旅するので水がなかったり食料がなかったり敵が攻めてきたり。そのたびごとに奇跡が起こされて救われる。
ユダヤの民とともにシナイ半島に入ったモーゼは、神に会うためにシナイ山に登る。
シナイ山でモーゼは神から十戒(十誡)をはじめとする法と戒めとを与えられた。
モーゼはそれに基づいてユダヤの民とともに新たに神と契約を結んだ。
さらにシナイ山に戻ったモーゼは、神から石板2枚を与えられた。
シナイ山に上ったモーゼがなかなか戻ってこないので、ユダヤの民はうっかり偶像を作って崇拝してみたりする。
神マジ切れ。が、モーゼが取りなしたので前言は撤回してユダヤの民の皆殺しは中止。モーゼは十戒の石板を手に山を下りる。
人々が偶像崇拝する様を見て、モーゼ激怒。地面に投げつけられたので石板も破壊され粉みじんに。モーゼが偶像を破壊して、首謀者を問いつめるもまるで反省の色なし。
モーゼ大激怒。神に従うレビ部族に命じて不信心者3000人を皆殺しにした。
が、それでも偶像崇拝の罪は赦されなかった。モーゼは神をなだめると、改めて契約をやり直して、新しく十戒を記した石板2枚を得た。
そして神のための天幕を作り、神とともに約束の地への旅を続けるのだった。つづく。
創世記→→出エジプト記→→レビ記