(⑤からの続き) 「子供じみたチクリ文化に乗った人間が得する。」 「社長は創業者の精神を自分に都合よく解釈している。」 真摯に会社を良くしようとしている社員は意気消沈した。 矢ガモ社長の定義する“家族”の一員ならば、顧客の為のビジネスに興味がなくても、仕事ができず人格に難があっても問題とはならなかった。 社員には“キャリア志向の排除”を謳い、その一方で、自称エリートの自分にはキャリア志向が適用されるかのような、あからさま態度に社内はうんざりした。 御多分にもれず、優秀な人材は社外に活躍の場を求めた。 自分が社長になる前は2流会社だったと吹聴し、前社長がやった唯一のいいことは自分を社長にしたこと…