とにかく寝るのも忘れて、途中で頁を繰る手を止めることもできず、エンディングまで一気に読んでしまった本でした。 まずタイトルが気になりました。「出征前夜」だったらわかるけど、「出星(しゅっせい)」って?その意味は最後にわかります。ふかあ~い感動を呼ぶ本でした。 飯嶋さんの本は初めて読みますが、この方相当な下調べをしてますね。この本は江戸時代、徳川家光の時代に起こった島原の乱のお話なのですが、天草四郎が主役ではないのです。むしろ、島原の乱のきっかけを作りながら、めぐりめぐって医者として一生を終えた寿安さんのお話であり、死ぬことよりも、生きることを選んだ者の結末を描いたものです。 私たちが歴史の教科…