仕事してきた。 明日も遅い時間の出勤なので、ということはあさって火曜日の朝早い出勤の時間に気をつけないと詰む。 「なに、案ずることはない。それなら俺が起こしてやろう」 いやそんな、ドン包平の手を煩わせるのは悪いよ。 「遠慮をするな! 御婦人の寝室に踏み込むような無礼は働かん。入り口から声をかけて起こしてやる」 朝からそんな大声選手権は厳しいな。 「大包平、管理人さんを起こすのにはな、枕元で恋話を聞かせてやるのがお定まりだ」 「何だそれは」 「過去の恋愛のことなど聞かせてやるのさ。そういえばお前、池田家にいたのなら刑部姫とはどうだったんだ? 」 「何でよりによってあの女の名前が出るんだ! 俺はあ…