村山常雄さんのシベリア抑留死亡者名簿の一部。約10年をかけて約4万6300人を掲載したが、氏名が判明していない人、正確な表記が分からない人もおり、作成者が亡くなったいまも道半ばだ=東京都千代田区で2024年4月23日、尾籠章裕撮影 ゆっくりと読み上げられたのは「名前」だった。「阿井孝吉さん、相磯恵雄(しげお)さん、相内真さん、相尾徳(のぼる)さん」――。「あ行」を皮切りに、果てしないほど連なっていく。 昨年8月。約100人が参加したオンラインイベントがあった。4年前から毎年8月に開かれている。個人情報保護が求められる時代の流れに逆行する内容かもしれない。参加者の口から発せられたのは、第二次大戦…