―その654― ●歌は、「朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ」である。 稲美町 稲美中央公園万葉の森万葉歌碑(作者未詳) ●歌碑は、加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森にある。 ●歌をみていこう。 ◆朝杲 朝露負 咲雖云 暮陰社 咲益家礼 (作者未詳 巻十 二一〇四) ≪書き下し≫朝顔(あさがほ)は朝露(あさつゆ)負(お)ひて咲くといへど夕影(ゆふかげ)にこそ咲きまさりけれ (訳)朝顔は朝露を浴びて咲くというけれど、夕方のかすかな光の中でこそひときわ咲きにおうものであった。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より) (注)ゆふかげ【夕影】名詞:①夕暮れどきの光。夕日…