前回に引き続き、「彼岸乞食」の由来についてですが、民俗学の書籍において研究者はどう説明しているかを見ていきたいと思います。初めは、仏教民俗学会 編著『仏教民俗辞典』(新人物往来社,1986年)の記述です。 彼岸乞食(ひがんこじき)兵庫県加東郡社町山国で行われる行事(1)。彼岸の中日に、十三歳以下の男子十数人が一組となり、未明から村内を回り、金や米をもらい、かやく飯を炊き、昨年まで彼岸乞食をやっていた十四歳の男子を招待して、かやく飯を食べる。十三参りなどと、その意味が同じかも知れない。 (参考)十三参り十三才は十二支の一巡した年で、この年の三月十三日に(現在は四月十三日)嵯峨嵐山(京都)法輪寺虚…