木枯吹けど:加藤武雄 1948年(昭23)11月創刊号~1949年(昭24)12月、雑誌「少女世界」連載 1949年(昭24)偕成社刊。 加藤武雄(1888~1956)は昭和初期の人気作家の一人だった。「家庭小説」と呼ばれた女性の生き様を丁寧に描く小説を得意としていた。これは終戦直後に創刊された少女向け雑誌「少女世界」のために連載したもので、執筆時には作者は60歳の老大家だった。雑誌連載時は「鳩のゆくえ」というタイトルだったが、単行本化されるときに「木枯吹けど」と改題した。個人的には改題前のほうが合っているように思う。 鳩のゆくえ:加藤武雄、大槻さだを・画 山奥の村で祖父に育てられたヒロインの…